2011.08.18 Thursday

探しだせない、自分探しの旅 〜下関編〜

お盆休みを利用しての“ぶらり一人旅”。あてもなく、お金も持たず、激安高速バスに揺られて向かった先は山口県は下関市。あたりはまだ薄暗い時間にバスを降ろされ、何の情報もなく初めておとずれたこの土地に「そうそう、これこれ」と久し振りのワクワクする感覚がよみがえる。
現地の人に道を尋ねたり、おすすめを教えてもらえることがなんとも楽しい。そしてひたすら歩きまくる。距離感がないだけにおもいっきり無理もする。ただ時間に追われることも、気を遣うこともなく、すべての行動予定とその変更が瞬時に下されていく分、わかりやすい身体の疲れだけがなんとも心地良く感じる。
ちょっとした贅沢にとその土地の名物を食べたり、史跡や名勝・神社仏閣を観て回る。ひとりで知らない土地へ行き、人と触れ、街を知ることによって、思わぬ方向で自分の記憶がよみがえったり、結びついたり、再確認するといった時間となった。
その後は福岡県へ渡り、門司港から小倉、宗像、博多へと移動し、時間の限り同様の行動を繰り返した。

“あてもなく”って書いてしまったけど、ほんとは一カ所だけあったかな、行ってみたかったところが。はっきりとわからなかったために残念ながらそこに行くことはできなかったけど。それはまたこの旅の続きで。

  
2011.07.23 Saturday

-小さな町のとある古いビルに私たちの食堂はあります-

新しくオープンする店にはほどよい緊張感が漂う。それは、お店のオーナーなり店主なりの、想いをかたちに変えた人たちの喜びと真剣さの表れのように感じる。

7月24日、大阪箕面「merci kitchen」のオープン日。
ここに新たに人を迎え、おいしい食事と時間を提供する場所がうまれる。店内にこだまする笑い声や食器と食器の交わる音、キッチンから聞こえてくる食欲を煽る軽快なリズムに匂い立つコーヒーの香り。
これがオーナー夫妻二人にとっての表現であり、提示であり、理想なのだと思う。

個人的には、この店の立ち上げに設計・デザインで携わらせてもらえたこと、その背景が何年も前から少しずつ築かれていたことに誰も知り得ない自分だけの嬉しさを感じる。

一年で最も暑いとされる「大暑」翌日となるオープン初日。きっとくたくたになりながらも、笑顔で床につく二人を想像して微笑ましく思う。

  
2011.06.27 Monday

美しの日本 歴史への遠足

毎年、年が明けた一月の中頃、家族と従兄弟一家を合わせた13人でお伊勢さんへ初詣に出かけることが恒例行事となっていた。何度となく訪れている思い出の地に、今こうして家族以上に顔をつき合わせている仲間と来ることができた。
湿気を含んだ大樹に生い茂る葉の薫りを楽しみ、凛とした空気を頭の先から足の指先までの全身で感じ、五十鈴川の冷んやりとした水で心を落ち着かせる。赤福氷を口の中でゆっくりと味わい溶かしながら、この時期に訪れるのは初めてということに気づく。やっぱりここでしか味わえない味がある。みんなが黙々と食べている姿を横目で見て、この時間の大切さを実感した。
さぁ、次はどこまで足を伸ばそうか?
こうやってみんなでいつもの場所から違う場所、いつもの時間から違う時間を定期的に往復したいと心に強く願う。その度に変化しながら深くなるものを知るために。

ちなみに家族との恒例行事はいつ頃からかなくなっていた。はっきりとした理由は覚えていないけど、祖父の病気だったか、兄や姉、僕らの成長につれて家族行事よりも優先する付き合いや出来事、そんな社会を形成していったのか。
また親兄弟に呼びかけて来年あたりに復活させようかなと真剣に思う。

  
2011.06.14 Tuesday

六年ものと十三年ものの記録途中

履き続けの日々にいろは落ち、破れに、ほつれとボロボロジーンズ2本が丁寧な手仕事によって甦ってもどってきた。嬉しくてたまらない。身にまとうどの服にも多少なりともの思い出や愛着はあるものの、その中でもこれらジーンズは群を抜いてそう感じられる。気を遣わなくていい、かと言ってどうでもいい訳ではない。そのごく自然な接し方ゆえに共にする時間は増え、日常の記録をたくさんメモリーしているように思う。そしてまた続く。

   

「はい、しっかり育てたいと思います!」そして僕も育ちたいと思います。なんて。
無理を言ってお直しいただき、ありがとうございました。

2011.05.28 Saturday

クルマ以上の存在だった2台のクルマ

気まぐれも度を越えた久し振りのゆるゆる便り。
姉から譲り受けた車〔FIAT Panda selecta〕が廃車となり、そのあとやってきたちょっぴりビックリ顔の〔GOLF GLI〕。5、6年はともにしたのかな。エンジンをかけ、ハンドルを握ってアクセルを踏んだ先にはいつも新しい世界が広がり、たくさんの荷物も想い出も運んでくれた。今は僕の元を離れ、次のご主人一家に大切に可愛がられている。と、ついこの前、その様子を知り嬉しくなった。
まだまだきみの役目は終わっていないんだよ。一緒に過ごしている大切な家族がいるんだよ。
もう少し走り続けなくっちゃね。ねっ、キトネ息子くん。

  

※ちなみに〔FIAT Panda selecta〕と〔GOLF GLI〕は僕の好きな工業デザイナーであるジョルジェット・ジウジアーロによって手がけられました。


2010.08.12 Thursday

顔の見える家具や道具や飾り物

ただ古い家具や道具、置物には特別な興味はない。正確に言えば“収集”という意味において。
でも自分の身近で関わりがある“その人”のものならいつまでも大切に使い続け、眺め続けたい。たとえば祖父のカメラ、祖母の花器、叔母のひな人形、これからお話をするおとうさんの茶箪笥とか。

自宅近くの畳屋さん。外から見える薄暗い作業場と米朝さん似のおとうさん。ほぼ毎日この前を通り過ぎるたびになぜか顔が向いていた。そんなある日のこと、店先には大きな木箱やら茶箪笥やら文机やらで2間ほどの入口がふさがっていた。雨の中、自転車止めて米朝とうさん見つけて話しかけた。
「孫夫婦が住むねん」「わしは八十近いし、仕事もないでここたたんで、すぐそこに引越や」「おお持ってけ、しかしこんなんいるんか?」そう言いつつ嬉しそうな笑みを浮かべてくれていたように思う。「宝の山?これもわし造ったんやで」なんて。職人さんらしく、もの静かに淡々とした口調が続く。あれも、これもと譲り受ける。

おとうさん、ありがとう。大切に使わせてもらうよ。もう二度ほどは使用状況は見てもらったとは思うけど、こっちはこれからも状況報告を口実に茶飲み友達になろうと目論んでいるよ。

  

おとうさんはこれからも仲間のところで畳職人を続けられるそうです。なのでもし畳に関するご用命があればご紹介致します。とてもお元気で若々しく、木工造作でもかなりの器用ぶりに驚かされます。いつでもどこでもタバコに火をつけます。先日、お礼にとお酒を呑まないおとうさんへ僕らも大好きな「針江のんきぃふぁーむ」のお米をお渡ししました。「こんなんがいちばん嬉しいわ」ってすごく喜んでくれました。
2010.08.08 Sunday

キラキラ、ドンドン夏の思い出

8月7日、朝からばたばたと忙しなく動いていたせいか、電車の中では居眠り状態。まぶたを開けては閉じての繰り返し。そんな格闘の末、ようやく京都から自宅にほど近い京阪電車中之島駅で下車。そして地下から地上へと。突然、ゴロゴロー、ゴロゴロー、ドンドン、バンバン、ゴロゴロー。ん、なに?カミナリ?いや、すこし様子が違う。
「あっ、そうだ、今日は淀川の花火大会だ!」眠気も吹っ飛び自転車飛ばす、音と光と人のあつまる方向目指して。ビルとビルの合間から赤や黄や青やらのキラキラが散らばり消える。ついにビューポイント発見。この時点で終了まであと10分。間に合った、でも欲を言えばビールがあればな、と。
ドーン、ドーン。凄まじい迫力が、次から次へと身体全体に覆いかぶさる。そこに夜空を彩るはかない花の咲き乱れる姿。そりゃ、人のこころを虜にするか。

おばちゃんの住んでいた部屋のベランダから遠く見える小さな花火も綺麗だった。毎年楽しみにしてたっけな。花火見て思い出すんだね、その頃のこともおばちゃんのことも。

帰り道、人ごみの中でつかみ合ってもめている人たちのグループを見かけた。かなりの打上げっぷりだった。こちらの感傷的な気分と楽しみの余韻はあっさりと空に消えてしまった。2つ目の残念。

  
2010.07.31 Saturday

犬島の時間はこんな時間だった

照りつける陽射しがぐっさぐさと肌を差す。
はじめての犬島は、暑さと潮のかおり、ノスタルジアを感じさせてくれるロケーションが印象深く記憶に残った。古い民家に空き地、昔は大活躍したであろう精錬所とその煙突のいくつか。現在は島民60人ほどが住むこの島が、アートプロジェクトや演劇公演、近代化産業遺産(精錬所)として文化・文明を今に伝え、未来に発する。
この日も多くの人が、この島を楽しんでいた。僕も仲間3人と汗かき歩き、島に散りばめられている作品に触れ、ビールで喉を潤し、夕方から夜にかけての日が沈む時間を維新派公演で楽しんだ。
肌がすこし黒くなった気がする。心がほんのり赤くなったと実感する。
時折、一番賑やかだった犬島、一番静かになった犬島を想像しては歩いていた。

   
2010.07.23 Friday

三回目の夏とお祭り

見慣れてきた街の景色のはずが、この日ばかりは妙な“違和感”を覚える。
毎年、7月19・20日に行われる地域の夏祭り。大きな太鼓や鯛鉾、地車(だんじり)が大勢で行列を成して氏子区域を巡行する。少年からお年寄りまで同じはっぴの鉢巻き姿。若い女の人たちによる「すずめ踊り」があり、神社へと続く通りには何軒もの出店が連なる。多少の変化はあるにせよ、長く受け継がれてきた光景だろう。ここに街の歴史、人の歴史を感じずにはいられない。それにしてもここにはこんなにたくさんの人たちが住んでいたんだ、と実感させられる。
で、その“違和感”とは、自分の住んでいる街が、どこかの旅先で出くわした夏の一場面に思えてしかたがないこと。不思議な感覚。あと何年住めばこの違和感が消えて自然になるのだろうか。なーんてことも考えながら地車に驚き、行列を追っかけ、出店を楽しむちびっ子たち紛れていた。

  
2010.06.25 Friday

日本代表よ、世界は驚いているはずだ!

感動的な勝利から半日以上が過ぎ、心なしか周囲の者たちや今日会った人たちの表情はぐっと眠気をこらえ、何度思い出しても嬉しいゴールシーンや強くてたくましい姿を脳裏に過らせては、その喜びを噛み締めているように見えた。なにを隠そう僕がそんな様子でいる。

4年に1度、世界との真剣勝負。その中で我ら日本代表は、格上のチームを相手にグループリーグ突破を決めた。
強くてたくましくて粘り強い、そして何よりも日の丸の国旗のように、真っ赤に燃え上がるマルとなって全員で戦っていた。日本サッカーの過去を受け継ぎ、未来へ繋がる2勝1負だと思う。

さぁ、いよいよ決勝トーナメント。1戦目は南米の強豪パラグアイ。デンマーク戦終了後の、選手達の落着き払った頼もしいコメントがさらに期待を膨らませてくれる。何より日本のサッカーを見せてくれ、日本代表!そしてさらに世界を驚かせてくれ!

  


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奥山 天堂 okuyama tendo
「八」が市章の名古屋出身。8・8生まれ。出席番号も背番号も、眉毛のカタチもすべてハチ。
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